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河田小龍特別展

2011 年 5 月 8 日 日曜日

 現在、記念館では河田小龍特別展を開催しております。河田小龍は坂本龍馬に世界情勢を語り、多大な影響を与えた人物で、幕末から明治にかけて活躍した土佐藩出身の日本画家です。屏風や掛け軸、ふすま絵などを幅広く描きました。

 小龍はアメリカに渡ったジョン万次郎(中浜万次郎)の取り調べに当たり、万次郎の話の内容を自身が描いた挿絵を加えて漂巽紀畧(ひょうそんきりゃく)という本にまとめました。やがて同書が江戸に持ち込まれると、諸大名間で評判になり、万次郎は幕府直参として取り立てられます。

 また、かねて親交のあった藩御用格医師・岡上樹庵の妻が龍馬の姉・乙女であったことから、剣術修行を終えた若き日の龍馬は小龍のもとを訪ね、小龍から海外事情についての話を聞きました。

 世界事情に開眼した龍馬は“自分は船に取り組むので、先生は乗り組む士官を養成してほしい”と小龍に頼んだといいます。そしてそれは、後年見事に実現されました。

 特別展の見どころである「龍虎図(りゅうこず)」(縦180㎝×横70㎝の大作)。この龍虎図は小龍が亡くなる前年の作で、永い画業での大集成、最高傑作といわれています。対になった龍と虎はまるで生きているような迫力(写真中央)。そして「維新前高知城下十二ヶ月」は近年京都で発見されたもので、維新前高知城下の年間行事や当時の生活を一年にわたり記録写真のように伝えてくれる貴重な作品です。

 当館所蔵の全国的にも大変貴重な小龍の代表作を、この機会にぜひ堪能してください。


龍馬の夢と志

2011 年 3 月 22 日 火曜日

記念館向かいにある龍馬公園には連日多くの観光客の方々が訪れ、「蝦夷地の坂本龍馬像」見学や記念撮影などで賑わっています。この龍馬像は、彼の悲願だった蝦夷地上陸を具現化しています。

龍馬公園のほど近くには「北海道第一歩の地碑」があり、当時北海道に渡る人はここから上陸の第一歩を記しました。そして龍馬の後継者となった甥の坂本直も龍馬に代わって函館に渡っています。時代を隔て、坂本家ご子孫や龍馬を敬愛する多くの人々の熱い想いが結集し、北海道坂本龍馬記念館と蝦夷地の坂本龍馬像がこの地に建立されたのです。そしてこのたび、蝦夷地開拓を目指した龍馬の想いを込めて公園の整備を行いました。



まず一つ目は、高さ6mのフラッグポールに掲げられた海援隊旗。赤・白ツートーンのこの旗は「船中八策」を起草した土佐藩船「夕顔」などにも掲げられていました。世界的視野に立ち、蝦夷地に新国を目指した龍馬の心意気を込めました。

二つ目は、艦船で使用されていた船舵(向かって左側壁面)。海軍や海運を志した海の男、七つの海への航海を夢見ていた龍馬の想いを表しています。

 

そして3つ目は、坂本家家紋と「Ryoma」のロゴマーク(向かって右側壁面)。このロゴマークは当館顧問で坂本家九代目当主・坂本登氏の筆によるものです。龍馬が“たとえ一人でもやり遂げる”という強い意志を持って取り組み、その後、坂本家ご子孫が受け継いだ蝦夷地開拓への熱い想いを表現しています。



北海道坂本龍馬記念館と蝦夷地の坂本龍馬像は、龍馬の夢と志を伝える発信基地として、常に前に前に進みます。


東日本大震災に際して

2011 年 3 月 17 日 木曜日

東日本大震災により被災された皆様に心より御見舞い申し上げます。

函館におきましても地震と津波の被害がありましたが、当記念館は幸いにも被害を免れました。

全国の多くの皆様より安否に関するご心配や励ましのメッセージをいただきましたこと、この場をお借りして深く御礼を申し上げます。

現在、当記念館は通常通り開館し、皆様のお越しをお待ち申し上げております。

平成23年3月17日

北海道坂本龍馬記念館館長 三輪 貞治