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新史料4点がお目見え

2012 年 2 月 18 日 土曜日

 このたび、新たに4点の史料が展示に加わりましたのでご紹介します。

◆河田小龍自筆書簡

 河田小龍は土佐藩の絵師で、藩内でも屈指の知識人でした。ジョン万次郎の取り調べを行って『漂巽紀畧』(ひょうそんきりゃく)をまとめ、若き龍馬に海外事情を指南したことでも有名です。ジョン万次郎は出漁中に難破し、米国捕鯨船に救助された後アメリカで教育を受けた人物です。帰国後、ペリー来航によってアメリカの知識を必要としていた幕府に旗本の身分を与えられ、以後日米和親条約締結に貢献したほか、遣米使節団の一人として勝海舟、福沢諭吉らと共に咸臨丸で再びアメリカに渡りました。維新後は開成学校(後の東京大学)教授として教育者としての人生を送っています。幕末の動乱の中で万次郎が担った役割は大変重要で、彼の経験と知識が河田小龍を通じて龍馬に確かな海外事情を伝えたといえるでしょう。

 この書簡は明治4年に再開した小龍の画塾の門下生・橋本小湖に宛てた1月22日付のもの。記念館には、この他にも小龍の絵画の代表作を展示しています。





◆海援隊商事秘記

 これは慶応3年9月、丹後田辺藩・松本倹吾と海援隊との商取引契約書などの写しで、藝州蒸気船・震天丸借受についての記述や、同月のハットマン商事とのライフル買入契約書などを含む貴重な史料です。海援隊は、亀山社中を改編し、土佐藩の外郭団体として龍馬が隊長をつとめた商社です。

 この史料では、龍馬が使用した変名「才谷梅太郎」で署名していることが窺えるほか、大変珍しい「海援隊商事」の印影(社判)も含まれており、当時の海援隊の商活動の内容を具体的に知ることができます。

 薩長同盟の後、後藤象二郎の協力を得て土佐藩を動かし、大政奉還という平和革命に向かう一方で、龍馬は万が一内戦になった場合の準備も並行して進めていたため、蒸気船や武器などの商取引を行う海援隊の役割は大変重要なものでした。史料の行間からは、大きな時代変革に向かう龍馬の緊張感が伝わってきます。





◆会津藩士の鉄扇(てっせん)

 鉄扇は骨の部分が鉄で作られた扇子で、武士が使用していました。今回展示された鉄扇は戊辰戦争に参戦した会津藩士が所持していたものです。

 徳川幕府守護を家訓とする会津藩は、幕府への忠誠心と共に、藩祖より神道を信仰し、天皇家への憧憬も供えていました。また、藩校「日新館」は全国有数の教育機関として知られていました。
 会津藩最後の藩主・松平容保(かたもり)は、文久2年(1862)に京都守護職となり、新選組や見廻組を配下に置いて京都の治安維持を担ったほか、長州藩が形勢挽回のため京都に出兵した禁門の変では御所を守り抜きました。孝明天皇はこのことを大変喜び、容保や会津藩への信任は特に厚かったといわれています。

 ところが、幕府に好意的だった孝明天皇が崩御し、明治天皇即位後の朝廷内は倒幕派が優勢となり、やがて戊辰戦争が勃発すると、会津藩は旧幕府軍勢力の中心とみなされ、新政府軍の仇敵となってしまいます。

 映画やドラマなどでも有名な白虎隊は、会津戦争時に予備兵として組織したもので、主に16~17歳の武家の男子によって構成されていましたが、中には13歳の少年も加わっていたといいます。激戦の末飯盛山に落ち延びるも、敗戦を悟った19人が自刃によって亡くなりました。その後も、会津藩士は戊辰戦争最後の戦いである箱館戦争に至るまで、勇敢に戦い続けました。 

 この鉄扇は、忠義に生きた会津藩士の気概をひしひしと伝える一品です(写真左:表/右:裏)。この鉄扇の他にも、白虎隊士が所持していた脇差や、激戦によって激しく刃こぼれした会津藩士の刀なども展示しています。ぜひ、これらの史料に込められた彼らの思いを感じ取ってください。





◆煙管入に仕込み短刀

 仕込み刀は隠し武器の一種で、刀剣を剥き出しで携行できない時に、主に護身用として使用されたものです。今回加わったのは煙管(キセル)入に仕込まれた短刀(長さ15㎝)。

 煙管入の裏側には葵の御紋が入っており、由緒あるものと思われます。また、記念館にはこの他にも杖やひょうたん、扇子などを使用した大変珍しい仕込み刀も展示しています。





 今回新たに加わった4点の史料は、幕末史や龍馬の足跡に関わる貴重なものばかりで、一見の価値ありです!冬の函館も大変趣きがあり魅力的、ぜひ足を運び、益々見応えを増した北海道坂本龍馬記念館を堪能しに来てください。


函館市成人祭「箱館偉人選挙・幕末編」

2012 年 1 月 13 日 金曜日

 新年あけましておめでとうございます。本年も北海道坂本龍馬記念館をよろしくお願い申し上げます。

 さて、1月9日は「成人の日」。函館市では本年度2,360人が新成人となり、晴天に恵まれた当日はそのうちの1,530人が函館市民体育館に集い、成人祭が盛大に開催されました。会場は華やかな和服姿の女性をはじめとする新成人で熱気ムンムン。式典では、工藤寿樹市長による祝辞や新成人代表による誓いの言葉が発表されました。



 式典に続いて行われた祝賀行事の目玉は「箱館偉人選挙・幕末編」。この企画は、函館が政権選挙発祥の地であることにちなみ、新成人に選挙や政治への関心を持ってもらい、投票率向上を目指して昨年から始められたものです。函館市選挙管理委員会協力のもと、投票箱や記載台などは本物が使用されます。

 幕末、戊辰戦争最後の戦いとなった箱館戦争において五稜郭を占拠した旧幕府軍は、朝廷の蝦夷地開拓許可がおりるまでの措置として入札(選挙)を行い、士官の各役職を決定しました。これが日本初の政権選挙といわれており、この時の選挙では榎本武揚が総裁に選ばれています。

 今年行われた「幕末編」候補者の顔ぶれは、①平成維新党・坂本龍馬(蝦夷地開拓計画を推進、その遺志を継ぎ子孫が箱館に渡る)、②日本開国党・マシューペリー(1854年の箱館開港の際に黒船で蝦夷地上陸)、③新選組公認・土方歳三(旧幕府軍の一員として戊辰戦争を戦い箱館で戦死)という設定で、坂本龍馬役で参加したのは、昨年の龍馬祭でスタッフとして活躍してくれた川崎修歩さん(北大生)、西郷隆盛役・三浦達也さん、桂小五郎役・阿部雄太さん(共に教育大生)の3名。メンバーは選挙活動と演説に参加し、若さあふれる熱演を披露してくれました。また、企画立案や準備、候補者への衣装提供などで当記念館も全面的に協力しました。



  選挙演説は各候補3分以内で、支援者2名と共に自由にパフォーマンスを行うことができます。坂本龍馬候補は、西郷と桂の対立を和解させる寸劇を交えながら、新成人に向けて“日本のせんたくを共にやり遂げよう!”という熱いメッセージを送り、投票を訴えました。マシューペリー候補はコミカルな漫談風の演説で貿易の自由化などを訴え、土方歳三候補は見事な殺陣(たて)を交えて支持を訴えました。



 大いに盛り上がりをみせた選挙戦は、コミカルな演説で支持を集めたマシューペリー候補が票を集め、残念ながら龍馬は当選を逃しましたが、日本の将来を担う函館の若人たちは、新成人となった実感と共に有権者としての責任を肌で感じ取っていたようです。

 「船中八策」をもとに、江戸時代という封建社会から議会制民主主義国家・日本への変革を成し遂げた坂本龍馬。彼にとって北海道は、自由と平等の国をつくるための新天地でした。そして、現在の選挙制度も龍馬の活躍あってこそのものといえるでしょう。次の選挙では、そういった龍馬の未来志向を前面に打ち出し、ぜひ当選を目指したいと思います!

 今年は龍(たつ)年、全国の新成人の皆さん、ぜひ龍馬のように大きなスケールを持ち、世界を目指して活躍してください!!


ありがとう、北海道日本ハムファイターズ!!

2011 年 11 月 5 日 土曜日

 今年の北海道日本ハムファイターズは、パリーグ・クライマックスシリーズファーストステージで惜しくも敗退はしましたが、シーズン中はチームスローガン「ONE_1」のもと、チーム一丸となって随所ですばらしいプレーを見せてくださいました。

 退任された梨田監督、4年間本当にありがとうございました。そして新たに就任が決まった栗山新監督、来年はぜひ日本一目指して頑張ってください!

 北海道坂本龍馬記念館では、龍馬の「志(こころ)つなごう、一つになろう!!」をテーマに、引き続き「ONE_1」シリーズを復興支援グッズとして全国展開してまいります。 

 展開にあたっては、当初より北海道日本ハムファイターズ様のご協力、ご厚意をいただいてまいりました。記念館スタッフ一同、この場をお借りして改めて御礼を申し上げます。

 栗山新監督のもと、来シーズンの更なる飛躍を心から応援しています!

 ありがとう、ファイターズ!!