‘お知らせ’ カテゴリーのアーカイブ

「第3回全国幕末維新人物イラストコンテスト」表彰式開催!

2011 年 8 月 26 日 金曜日

 8月21日(日)10:00より、北海道坂本龍馬記念館恒例「第3回幕末維新人物イラストコンテスト」表彰式が盛大に挙行されました。晴天に恵まれた函館龍馬公園は、市民や観光客など約300人の人々で賑わいました。



 イラストコンテストは記念館オープン記念事業としてスタートし、今年で3回目を迎えます。子供たちの情操を高め、美術やデザインを学んでいる人々の創作機会や生涯学習の場を提供すると共に、坂本龍馬が目指した蝦夷地開拓、そして幕末維新に活躍した志士たちの高き志を全国の人々に伝えることを目的に企画され、11月15日「龍馬祭」のイベントとして実施されてきました。第3回目の今年は、イラストコンテストの発展と地元の子供たちの参加を考え、夏の函館龍馬公園での開催となったことから提出期間が大幅に短縮となったにもかかわらず、全国から196点もの力作が寄せられました。

 会場では全応募作品が展示され、色鉛筆やクレヨン、水彩画や水墨画、そして油絵・版画・CGなどバラエティに富んだ力作がズラリと並び、来場者の目を楽しませていました。特に今年は、夏休み時期に併せて実施されたことから子供たちの作品が多く、小・中学生の受賞が多かったのが特徴といえます。



 表彰前には、昨年11月14日に行われた「蝦夷地の坂本龍馬像」除幕式でもすばらしい演奏をしてくださった函館市立青柳小学校金管バンドの皆さんによるファンファーレ、そして表彰セレモニー終了後には、記念特別演奏として『龍馬伝のテーマ』や『ヤングマン』など楽しく元気な演奏プログラムを披露してくださいました。  

 受賞作品と表彰式のようすは、当サイト内イラストコンテストコーナーで近日中にご紹介しますのでお楽しみに! また、9月5日(月)まで、8:00~22:00の時間帯で、記念館のすぐ近くにある「アクロス十字街」1階ホールにて作品を展示しております。全国から寄せられた力作の数々をぜひご覧ください!


常設展示リニューアル

2011 年 7 月 7 日 木曜日

 6月末に常設展示の一部リニューアルが行われ、徳川慶喜や徳川斉昭、高橋泥舟の書や、幕末動乱期の日本刀など、歴史資料として大変貴重な品々が新たに加わりました。



 徳川十五代将軍である徳川慶喜(よしのぶ)は、徳川斉昭(なりあき)の七男として生まれ、水戸で育ちました。初め一橋家を相続し、慶応ニ年(1866)に征夷大将軍を継いで最後の将軍となります。幕末の動乱に直面し、龍馬が後藤象二郎と共に推進した大政奉還を受け入れて新しい国家体制樹立を目指しますが、王政復古の大号令と共に辞官、納地を命ぜられ、その後、鳥羽伏見の戦いに敗れて江戸城を明け渡し、水戸に退きました。

 慶喜による大政奉還受け入れの報を聞いた時、武家政治終焉を決断した慶喜の覚悟と気概に龍馬は感動し、「この公のためなら、自分は命を捨ててもよい」と涙ながらに語ったといわれています。

 今回展示された慶喜の書(写真中央)には、“人の道を学ぶことの大切さ”や“読書することの楽しさ”が記されています。才気溢れる慶喜の人柄が表れており、修学旅行などで訪れる多くの子どもたちにぜひ見てほしい一幅です。

 慶喜の父であり、水戸九代藩主でもある徳川斉昭(なりあき)は、兵制や民政を重視した改革を行うと共に、藩校「弘道館」(こうどうかん)を設置して尊皇の理念に基づく教育方針を明らかにし、藩士の文武修得につとめました。斉昭の書(写真左)には、尊王論者として天皇の権威を尊ぶ内容が記されています。

 そして、幕臣である高橋泥舟(でいしゅう)は、勝海舟(かいしゅう)、山岡鉄舟(てっしゅう)と共に「幕末三舟」(ばくまつさんしゅう)と称され、鳥羽伏見の戦いの後、江戸城無血開城に尽力し、江戸を戦火から救った人物の一人です。ちなみに、記念館内には三舟直筆の書入り扇子も展示されています。

 妹婿の鉄舟とは義兄弟の関係にあたり、槍術(そうじゅつ)に優れた泥舟は講武所の槍術教授をつとめ、江戸城明渡し後は遊撃隊(ゆうげきたい)のリーダーとして徳川慶喜の身辺警護にあたりました。

 泥舟の書(写真右側)は、明治三十六年一月、慶喜が公爵に叙せられた際の祝賀会で披露された歌が記されています。泥舟は、三舟の中では地味な存在ですが、主君に対する深い忠義心や、自分を表に出さない武士としての潔さなどを持つ人格者です。



 そして、今回のリニューアルの目玉となるのは、江戸時代~幕末動乱期の日本刀の数々。徳川家伝来、水野家の宝物短刀をはじめ、龍馬の愛刀「吉行」と同じ刀工による吉行の脇差、約95㎝もの長さを誇る薩摩薬丸自顕流の大刀、激戦の跡も生々しい会津藩士や薩摩藩士の刀などが並び、動乱の中、命がけで戦った武士たちの想いが、刀を通じてひしひしと伝わってきます。



 その他にも、桜の木でできた杖(写真奥)、ひょうたん(写真手前左側)、キセル入れ(写真手前右側)などに刀を納めた珍しい仕込み刀など、歴史ファンならずとも必見の刀が新たに十二口加わりました(※刀の正式な数え方は「口」を使います)。



 函館は夏の素敵な観光シーズンに入り、連日全国から多くの方々が訪れています。より見応えを増した北海道坂本龍馬記念館にぜひお越しください。

  


修学旅行自主研修

2011 年 6 月 15 日 水曜日

 5月から6月にかけては、小・中学校の修学旅行や校外学習のシーズン。記念館には北海道内、青森県、秋田県をはじめ、連日全国から多くの生徒さんが来館しています。

 自主研修はだいたい5~7名のグループで来館し、その多くは事前に調査(質問)内容をまとめ、見学の際にはそれぞれ分担して調べた内容を記録するなど、協力し合いながら熱心に見学しています。

 学校の教科書で触れる坂本龍馬といえば、薩長同盟や大政奉還といった事柄にとどまり、龍馬自身のことや北海道とのつながりについては触れられないため、できるだけ展示解説や質疑応答に対応し、研修活動に資することができるようつとめています。

 龍馬といえば、政治的な功績の他にも、“日本における株式会社や私設海軍の原型である「亀山社中」や「海援隊」を作った人”、あるいは“日本で初めて新婚旅行をおこなった人”としても有名で、その先見性や柔軟性から政治家や経営者、そして女性などにも大変人気があります。そして、凶刃に倒れるまで蝦夷地開拓を目指して活動を続けていたことなどを話すにつれ、子どもたちのまなざしが徐々に輝いてくるのがわかります。

 また、展示解説では、当時の時代背景や地名のクイズなども交えて進めていますが、珍回答なども飛び出すなど、生徒さんたちとのコミュニケーションを大切にしています。

 “次代を担う子どもたちに龍馬の生き方や精神を知ってもらい、龍馬のように世の為人の為に活躍してほしい”という多くの人々の願いが込められた記念館と龍馬像。解説の後の「ありがとうございました!」という元気な声や、龍馬像前で同じポーズで記念写真を撮るイキイキとした子どもたちの姿が、閉塞感漂う現在の日本に希望の光を放ってくれているような気がします。

 “出でよ、平成の龍馬!!”